ユニバーサル農業 ─京丸園の農業/福祉/経営─

鈴木厚志 著

定価2,200円(本体2,000円+税)
2023年2月8日発行
A5判・160頁
ISBN 978-4-88340-360-8 C0061




  ユニバーサル農業とは福祉の発想をとり入れ、障がい者、高齢者などの力も借りながら経営を強くしていくという考え方。アメリカで生まれたユニバーサルデザイン(すべての人のためのデザイン)のコンセプトをもとにした概念です。
 ユニバーサル農業の取り組みで注目される京丸園(静岡県浜松市)は、水耕栽培でオリジナルな小物野菜の芽ネギ、ミツバ、チンゲンサイなどを生産しています。1996年から障がい者の雇用を始め、現在パートを含む従業員102名のうち、22名が障がい者。作業工程を分解、細分化し、各工程の流れ、手順を明確化、標準化することで、より多くの障がい者の受け入れが可能となりました。地域の特別支援学校や民間企業の特例子会社の障がい者なども積極的に受け入れ、多様性のある組織構成で経営の拡充を図っています。
 本書では、これまでの京丸園の取り組みを種々のエピソードを織り交ぜながら報告し、ユニバーサル農業の必要性、可能性を提示していきます。

【主なもくじ】
未来を拓くユニバーサル農業 序に代えて
第1章 ユニバーサル農業の打ち出すもの
第2章 家族経営からユニバーサル農業へ
第3章 福祉の世界から教えられたこと
第4章 ともに働くためのノウハウ共有
第5章 ユニバーサルな野菜と農業機械
第6章 地域での連携と農業経営の捉え方
第7章 持続可能なユニバーサル農業へ
あとがき
インフォメーション(本書内容関連組織など)
ほか

【プロフィール】
鈴木厚志(すずき あつし)
京丸園株式会社代表取締役。
1964年、静岡県浜松市生まれ。400年続く農家の13代目。静岡県立農林短期大学校(現、静岡県立農林環境専門職大学)卒業後、親元就農。2004年、小型野菜の水耕栽培などを行う京丸園を法人化。「姫ねぎ、姫みつば、ミニちんげん」などのオリジナル野菜を生産し、JAとぴあ浜松などを通して全国各地へ周年出荷している。
また、1996年から障がい者を雇用し、福祉関係の組織や特例子会社、機械メーカーなどとの農福連携を図りながら、働きやすい作業体系をつくり、「農業経営における幸せの追究」をテーマに持続可能なユニバーサル農業の確立を目指す。浜松市ユニバーサル農業研究会会員、特定非営利活動法人しずおかユニバーサル園芸ネットワーク理事、静岡県立農林環境専門職大学客員教授なども務める。

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