農の明日へ

山下惣一 著

定価1,760円(本体1,600円+税)
2021年7月5日発行
四六判(上製)・266頁
ISBN 978-4-88340-350-9 C0061




 いまだに「農業を成長産業に」との掛け声が続いているが、そのために打ち出されている単作化、規模拡大、コスト低減は旧態依然の路線である。果てしないコスト競争と市場原理優先の流れに惑うことなく、世界の小規模農業・家族農業重視の潮流を受け止めていかなければならない。必ずしも小農は貧農ならず、大農は富農足りえない……多様な担い手によって支えられる、持続可能な「農と食」の根拠と真価を内外のエピソードを織り交ぜながら示唆深く明らかにする。農の現場からの痛快エッセイ。

[主なもくじ]
老い楽の農なれど 序に代えて
1章 農に吹く烈風、涼風
2章 小農はなぜ持続可能か
3章 農業・農村の変貌から
4章 農の伝道者の教えに触れる
5章 米国・ロシアの農業見聞
6章 老い楽の農の身辺 1
7章 老い楽の農の身辺 2
8章 農の明日に見果てぬ夢
ほか

[著者プロフィール]
 作家・農業。1936年、佐賀県生まれ。農業に従事するかたわら、小説、エッセイ、ルポルタージュなどの文筆活動を続ける。1970年、『海鳴り』で第13回日本農民文学賞、1979年、『減反神社』で地上文学賞受賞。国内外の農の現場を精力的に歩き、農・食をめぐる問題などへの直言、箴言を放つ。アジア農民交流センター(AFEC)共同代表、小農学会顧問などを務める。著書に『ひこばえの歌』『農家の父より息子へ』(家の光協会)、『土と日本人』(NHK出版)、『いま、米について。』(講談社文庫)、『小農救国論』『身土不二の探究』(創森社)など多数。
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